ラストチャンスー再生請負人ー 第8話(最終話)
デリシャスフードの内部情報が外部に漏れて、倒産の危機と報じられた。
いったい誰が… 裏切者は…
樫村の前に最大の敵が立ちはだかる…
キャスト
メインキャスト
樫村 徹夫(仲村トオル)
ちとせ銀行の投資部門で実績を残し、順風満帆な行員人生を送っていた。
しかし、菱光銀行との合併が発表され、人生が一変する。
人生の行き先を見失った樫村に「デリシャス・フード」という大手飲食フランチャイズ企業の再建に声が掛かるが…
趣味はランニング。
宮内 亮(椎名桔平)
ちとせ銀行で樫村と同期の東大卒エリート。
菱光銀行との合併決定後、合併準備室のメンバーに選ばれるが、業務の進め方に納得がいかず、経営コンサルティングの会社を立ち上げ独立する。
岡田 十和子(水野美紀)
「十和子フード」という外食企業を運営する社長。美しく凛としたやり手経営者。
自分の店に信念と愛情を持ち、樫村にとって会社経営のよきアドバイザー。
山本 知也(大谷亮平)
投資ファンド「グローバル・リバイバル・ファンド(GRF)」社長。
銀行時代に共に仕事をした樫村に「デリシャス・フード」筆頭株主として、CFOへの就任を依頼。 「デリシャス・フード」の株価下落を阻止するために奮闘する。
岸野 聡(勝村正信)
「デリシャス・フード」財務部長。「デリシャス・フード」の創業メンバーの一人。
会社への愛情にあふれ、畑違いの業種からやってきた樫村への不信感を抱く。
佐伯 隆一(和田正人)
「デリシャス・フード」財務部員。
突如現れた樫村へ反発する社員が多い中、垣根なく接するまっすぐな性格。
会社への思いが熱く、自社ブランドを盛り上げようと奮闘する。
杉山 誠三(町田啓太)
ちとせ銀行時代の樫村の部下。
樫村が「デリシャス・フード」へ転職してからは貸付担当として、関わりを持つ。
樫村 明子(長谷川京子)
樫村の妻。樫村とは職場結婚。2人の子供がいる。
銀行合併で先行きが見えない中、転職した夫を心強く支える。いざという時に頼りになるしっかり者。
占い師(ミッキー・カーチス)
ある日、樫村の前に現れた占い師。意味深な助言をする不思議な老人。
全体相関図
第8話
ストーリー
デリシャス・フードは「含み損百億円以上倒産の危機」とニュースでスクープされ、株価が大きく下落する。
窮地の樫村(仲村トオル)は経営支援を要請していた十和子フードに、筆頭株主の山本(大谷亮平)の株を売ろうとするが、山本は伊坂商事常務・小沢(竜雷太)と密かに会っていた。そして、伊坂商事はデリシャス・フードへの資本提供を取りやめると言い出して…。
倒産の危機と報じられたデリシャスフードは、十和子フードと伊坂商事との資本提供を1日でも早く進めるために動いていた。
樫村は山本に早く持ち株を十和子フードへ売却するように伝え、十和子(水野美紀)へ連絡をとり承諾を得る。しかし、伊坂商事の小沢常務はニューヨーク 出張で連絡が取れない状態だった。
先に、十和子フードとの契約を進めるために山本と連絡を取ろうとするが、山本は電話に出ようとしなかった。嫌な予感がした樫村は山本の会社 グローバル・リバイバル・ファンド(GRF)へ出向くことにした。そこで樫村は、ニューヨーク出張で連絡の取れないはずの伊坂商事の小沢常務を見てしまう。
どうして小沢常務が?その疑問を山本に問いただすと、デリシャスフードの株を10億で買い取る交渉のために会っていた。と…
小沢常務は資本提供ではなく、買収に切り替えたのだと言う。
デリシャスフードの株を伊坂商事に売る気なのか?と詰め寄る樫村に、山本は、10億円だと十和子フードより高い。と売る気でいた。
考え直してほしいと樫村は訴えるが、山本も自分の会社GRFへの投資家からデリシャスフードの件で大損させていまっているためクレームに追われていたのだ。
とりあえず、小沢常務との話し合いまで売却を待って欲しいとだけ伝え、伊坂商事へ乗り込んだ。
小沢常務は方針が変わったといい、含み損以外に各ブランドの売り上げなどをふまえ、支援より買い取りが適してると判断したといい、乗っ取りではなくビジネスだという。
伊坂商事の傘下にデリシャスフードが入るのは損ではないという小沢常務だが、採算の悪いブランドは切り捨てるという、ちとせ菱光銀行と大友(本田博太郎)が出してきた会社分割と同じことをしようとしていた。
小沢常務にはめられていたことを知った樫村と宮内。樫村はなんとかするしかない。と対策を考えるが、伊坂商事のデリシャスフード株買い占めは進んでいた。
岸野たちは、株保有者に伊坂商事へ株を売らないように懇願するつもりでいた。そんなとき樫村へちとせ菱光銀行から呼び出されてしまう。
伊坂商事の資本提供話しが出たときには、土下座で謝った、ちとせ菱光銀行の融資課長と杉山(町田啓太)だったが、伊坂商事の資本提供の話しがなくなったと知ると、手のひらを返し、また高圧的な態度に戻っていた。
銀行からの帰りみち、樫村は宮内に電話していた「もう1度力を貸してくれないか」と…
樫村は、少しでも含み損を減らすため、以前に新潟屋売却を断ったカタヒラ食品へ再度新潟屋の売却を考えていた。
状況が変わった今では、それしか道がなかった…
カタヒラ食品の片平社長(岩松了)に会うため、樫村と宮内は栃木県宇都宮市に出向いていた。
受付にて、片平社長は外出中だが、すぐ近くにいると言われ、行った場所は餃子店だった。
片平社長は、暇があると、この餃子店で餃子を焼いているらしい。
片平社長に新潟屋売却の話しをするが、もう別の居酒屋チェーンを買うことが決まったため、遅かったと断られてしまう。
樫村と宮内は、言葉をなくすが、そんな2人に片平社長は餃子を食べていくように勧める。
何を考えているのかわからない片平社長を疑いの目で見る樫村だったが、片平社長の焼いた餃子は旨かった。「うちの餃子は皮に特徴があるんですよ。薄いでしょ?あんこの旨味を味わってもらうためのものなんです。餃子が私の原点なんです」とキラキラした目と笑顔で話す片平社長。
他を当たるしかないと言う宮内に対して樫村は「やっぱり片平さんに買ってもらおう」と。
今日の餃子について語る片平社長を見て、片平社長は店に愛情がないと判断した自分が間違いだったと気づいたのだ。
片平食品が買収しようとしていた居酒屋チェーンは「江戸の里」だった。江戸の里は新潟屋のヒットを見て、他社が新潟屋を真似て作った店だった。
売り上げも店舗数もあるが、どれも新潟屋より下だった。
しかし、カタヒラ食品は、江戸の里を30億円前後で買収する予定にしており、新潟屋より10億円も安い金額だった。
片平社長が興味をもつには、新潟屋に付加価値を持たせるべきだという宮内の案に、樫村は、以前に山本から話しがあった香港からのアジア圏での展開を付加価値としてつけるべきだと提案した。
そのために、山本へ話しをするためにGRFへ出向いた樫村は、小沢常務と電話で話す山本の会話を聞いてしまう。それは、デリシャスフード株の買い取り金額を10億円から12億円に上げるというものだった。
待つように頼む樫村に対して、株価下落が続くため、山本はもう待てないと。
打開策として、新潟屋をカタヒラ食品に売る話しを進めるために、香港との話しを進めて欲しい。香港との話しが今後のカギになる。
「山本さん言いましたよね。私がラストチャンスだと。私はなんとしてもデリシャスフードを再建したい!」樫村の熱い気持ちに、山本は香港へ連絡を取った。しかし、今のデリシャスフードの状況を知った香港の王(ウォン)は二の足を踏んでいた。
デリシャスフードへの伊坂商事の買収の話しは世間の注目になっていた。不安の中でもモンゴルの空や北京秋天の従業員たちは樫村を信じて日々頑張っていた。しかし思うように見つからない支援先に、樫村は追い詰められていた。
自然と足は、占い師の場所へ向いていた。でもそこには「本日臨時休業」の張り紙が貼られていて占い師に助言を聞くことが出来なかった。
ぼんやりと歩く樫村の目線の先に線路が…
なんとか気持ちを取り戻した樫村は、夜の街を走っていた。そこに山本より電話がはいった。
「今、新潟屋にいるんです。王(ウォン)さんと一緒です。」山本は、粘り強く香港との話しを進めてくれていたのだ。1度新潟屋を見に来て欲しいという山本の熱意に押され、香港から日本に来てくれたのだった。そして、新潟屋の活気を見て、アジアでのフランチャイズ権の購入を決めてくれたのだ。
「詳しい話は、また明日!」と軽く話す山本に対して、樫村は全身の力が抜けて街中で腰が抜けてしまった。
樫村と宮内は、香港の王(ウォン)との話しが決まったことを付加価値として再度カタヒラ食品の片平社長へ新潟屋の買収の話しをしていた。
香港の王(ウォン)による新潟屋フランチャイズ権購入金額が10億円、そして毎月売り上げの5%がロイヤリティとして入る。江戸の里より儲けが大きくなる。だか、片平社長は良い話しだが、金が欲しいだけじゃないからな…と乗り気を示さない。
「どうか新潟屋を育ててください。片平さんが、あの餃子の店を大事に育てたように。今は、ほんとにそう思ってるんです。お願いします」樫村のそこ言葉で片平社長の心は動いた。
無事、新潟屋の売却が決まったのだ。それだけでなくカタヒラ食品は資本提供も…
伊坂商事の乗っ取りを回避した樫村と十和子は結城(池田成志)の元へ出向いていた。結城にデリシャスフードに戻るように説得するためだ。最初は断る結城だったが、樫村の「確かにあなたは失敗した。でも、その失敗を次の成功につなげればいいんじゃないですか。社員たちのために、もう1度頑張るべきです」と言われ、結城はデリシャスフードに戻る決意をした。
樫村は山本の会社GRFへ急いでいた。山本が社長を退任するというのだ。
デリシャスフードの株において、樫村との約束を守って十和子フードへ株を売却したことにより、責任を取るかたちで実質クビになったのだった。
そこで樫村は1つ決心していた…
「実は、あのとき。銀行辞めていろいろあって、デリシャスフードに入ることになったとき、これが転職の最後のチャンスだと思った。でも違ってた。人生でも仕事でも、これが最後なんてものはない。チャンスは何度でもある。あきらめなければ」と、妻の明子(長谷川京子)に語る樫村がいた。
カタヒラ食品と十和子フードとの資本業務提携が正式に決まったデリシャスフードは、社長に十和子フードの岡田十和子、顧問は結城に決まった。伊坂商事の代わりにカタヒラ食品が十和子フードの株主になることで話しがまとまった。
樫村は、岸野と佐伯に退任を伝えていた。哀しむ2人に、これからは結城のような存在が必要であって、自分でない。と伝える樫村だったが、退任にはGRFの山本を退任させてしまった責任のけじめでもあった。
デリシャスフード内で待つ、ちとせ菱光銀行の杉山と融資課長。樫村を見つけると土下座をし「さきほど十和子フードから連絡がありました。デリシャスフードとの取引は今後、はるみ銀行に切り替えると申し出がありました。どうか助けてください。このままメイン取引を続けてください」樫村は呆れて言葉を失っていた。
樫村は、デリシャスフードの十和子フードとカタヒラ食品との正式資本業務提携の記者会見を開いていた。そこで、デリシャスフードの社長には十和子が、顧問には結城が就任することを発表した。記者に今後を聞かれた樫村は「私は退任します。新しい組織は新しい人に任せます」と答えた。
退任を発表した後に、宮内に「しかし、相変わらず甘いな、しかし、それがお前のいいところなのかもしれないな」と言われた樫村は、どこか晴れ晴れとしていた。
佐伯に呼ばれて向かった先には、「社長お疲れさまでした」と、デリシャスフードの社員、モンゴルの空と北京秋天の従業員が集まっていた。そして退職した渋川も戻ってきていた。そして、花束を持って現れたのは、今まで応援してくれていた妻の明子、娘の遥香(佐々木七海)、息子の幸太郎(渡邉蒼)だった。
社員や家族に拍手で送りだされる樫村は、今までの苦労も忘れていた。
2019年5月
娘の遥香は無事大学に合格しテニス部に入っていた。息子の幸太郎も全国学生ダンス大会で優勝していた。そして、樫村も新しい仕事を見つけていた。
独立した樫村は、宮内とコンビを組んで仕事をしていた。そこへ山本より電話が…
山本は王(ウォン)の口利きで、香港の投資会社の社長になっていた。
「ところで樫村さん。仕事があります。会社の再建です」
電話を切った樫村は「今度はIT企業だ」と宮内にいうと
「再生請負人の誕生だな」という宮内に、笑顔で「また連絡する」と自信をもって歩く樫村。
そして、いつも占い師が居た場所には、もう占い師の姿はなかった。
「人生七味唐辛子」そうつぶやき歩き出す樫村だった…
今週のビジネス用語
【グッドバイ方式】
業績好調な部門と悪い部門を切り離し、事業再生を目指すこと。
第8話感想
ついに最終回でした。全8回ということで、最後はやっぱりギュッとされてしまいましたね。
樫村が、デリシャスフードを辞めた後や、カタヒラ食品との提携に至った流れとか欲しかったですねぇ
あと謎の占い師も、現実にいたのか、それとも…
占いをしてた場所の背景が、単なる掲示板に代わってたりして、ちょっと謎っぽい感じで終わりました。誠実に生きてきた樫村へ神様が助言に現れたような…
あずま稲荷大明神の場所でしたしね。
しかし、やっぱり銀行員って、やっぱり食えない職業なんですかね
「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」などなど、銀行員(特に融資課)は悪として表現されることが多いですが、このラストチャンスでも手のひら返しや、土下座など、やはり銀行員というものは…と。
しかも、ラストチャンスの原作者である江上剛さんは、元銀行員で支店長や社長などのや役職も務めてた方だけに、現実味ありますよね。
是非是非、続編を見たい気持ちでいっぱいなのですが、悲しいことに、このドラマの原作はシリーズ化されてないんですよね…
そして、次作は唐沢寿明主演の「ハラスメントゲーム」が始まります。
これも楽しみにして見逃さないようにしなくては!
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原作
「ラストチャンス 再生請負人」江上剛
音楽
主題歌
「Starting over」村松崇継
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